2019.6.29

ヘアメイク/濱田マサル  スタイリング/鈴木えりこ

 今月号の『ブーケ』では、この夏に上演を控える話題の舞台『人形の家 Part2』について、主演を務める永作博美さんにお伺いしました。こちらの『ブーケオンライン』では、永作さんの日常についてインタビュー。一人の女性としての彼女の素顔に迫ります。

- - 『人形の家 Part2』は、3年ぶりの舞台ですね。女優として順調なキャリアを築いてこられましたが、これまでの足跡をご自身からご覧になると、いかがですか?

永作おかげさまで、役者という仕事を長く続けてきましたが、時には「本当に続けていていいのかな」と感じることもありました。さまざまな立場の方にお会いし、影響を受けることで生きてきたんだなあと、いまになって実感します。

- - 大きな転機になった出来事はありますか?

永作やはり結婚・出産ですが、それ以外だと映画への出演ですかね。

- - 意外なことに、初のご出演は30歳を過ぎてからだったんですよね。

永作そうなんです。これが、自分にとっては衝撃的な出来事になりまして。同じ芝居なのに「こういう手法があるのか」とか、「こんなに違うものなの?」と驚きの連続で、もっと頑張ってみようと思うきっかけになりました。

- - 女優というお仕事はとても集中力が必要かと思いますが、家族をお持ちになって、オンとオフはどう切り替えておられるのですか?

永作それが、最近はオンとオフを切り替えるエネルギーがなくなってしまって(笑)。仕事から帰ったら、そのまますんなりと日常の空間に入っていく感じで。その時に演じている役に引きずられることもありますので、以前は意図的に切り替えるようにしていたんですけどね。

- - 先ほどお話に出たご結婚・ご出産も関係がありますか?

永作ありますね。家族を持つと、自分の自由にならない部分も出てきますからね。どうしても日常のウエイトが大きくなりますから、今はあまり深く考えず、自然体で過ごしています。

- - オフタイムの過ごし方は?

永作もう、したいことがいっぱいあって、困ってます(笑)。でも、皆さんも同じだと思うのですが、じっと座っている時間も取れない日が多くて。

- - ご多忙のご様子ですが、何かこだわりのようなものはありますか?

永作家でも、仕事でも同じなのですが、「嘘をつかずに生きる」ことを大切にしています。たとえば、相手が子どもたちでも、アバウトな言い方で片づけずに、できるだけ細かいニュアンスまで伝えるように接しています。

- - それは素晴らしいですね。お子さん方も嬉しいでしょうね。

永作そもそも家にいる時間が少ないですし、大事な行事に出席できないこともありますから、私がいまどんな状況なのかについても話しておきたいんですよね。子どもたちが自分で考える時に迷わないような話し方を心がけているつもりです。

- - 『人形の家 Part2』は、女性としての生き方が大きなテーマとなっていますよね。永作さんご自身はいかがですか?

永作「干渉しない自分」が見えた時、私も大人になったなあと感じました(笑)。つい最近のことですが、何だかいろいろと気にならなくなった気がして。子どもたちのことにしても「考え方はそれぞれだよね」と思えるようになりましたし。少し客観的になれたのか、自分の考えも以前よりスムーズにまとめられるようになったように思います。

- - 充実ぶりが伝わってきますね。では、今後の目標は?

永作もともと私は目標に向かって計画的に歩けるタイプではなくて、ずっと「その日暮らし」と言うか、いつもいっぱいいっぱいで、足元ばかり見てきました。でも、最近は少し目線が上を向いたのか、視野が広がって先が見えるようになった気がするんです。

- - -とても落ち着いた感じに見えます。

永作ありがとうございます(笑)。これからは、少し先を見据えながら、ひとつひとつを着実に実現していきたいと思っています。

  • 『人形の家 Part2』
    2019年8月9日(金)〜9月1日(日)
    紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて上演

  • [出演] 永作博美、山崎一、那須凜、梅沢昌代  
    [演出] 栗山民也  
    [作] ルーカス・ナス 
    [翻訳] 常田景子


    15年ぶりに妻・ノラ(永作博美)が家に帰ってくる。ノラはすべてを置き去りにして家を出たまま音信不通になっており、家族には死んだと思われていた。
    乳母のアンネ・マリー(梅沢昌代)は予期せぬ再会を喜び、夫・トルヴァル(山崎一)との和解を勧めるが、ノラには別の目的があったのだった。
    そこに、トルヴァルが仕事から帰ってくる-。
    昨年「第26回読売演劇大賞」に輝いた栗山民也が主演に永作博美を指名し、ブロードウェイの話題作を日本で初上演。

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